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事業承継・M&A補助金 十六次公募——押さえるべきポイント

本記事は2026年9月15日時点の公開情報に基づいています。制度の詳細・最新情報は、必ず事業承継・M&A補助金 公式サイトおよび公募要領をご確認ください。

今回から、CFO・ファイナンス・M&Aに関するニュースを取り上げ、中小企業の経営にどう関わるかを実務家の視点で解説する「ニュース解説」をお届けします。第1弾は、事業承継やM&Aを検討している企業には見逃せない補助金の公募開始です。

ニュースの概要

中小企業庁は2026年9月4日、中小企業生産性革命推進事業「事業承継・M&A補助金」の十六次公募の公募要領を公表しました(出典:中小企業庁の発表(ミラサポplus))。

  • 申請受付期間:2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00(予定)
  • 申請方法:電子申請(Jグランツ)のみ。GビズIDプライムアカウントが必須(取得に2〜3週間かかるとされています)
  • 対象:親族内・従業員承継を予定する中小企業、M&Aで経営資源を引き継ぐ・譲り渡す事業者、M&A後の経営統合(PMI)に取り組む企業など

4つの支援枠

この補助金には、承継・M&Aのフェーズに応じた4つの枠があります。

1 事業承継促進枠 親族内・従業員承継を機にした設備投資等を支援 2 専門家活用枠 M&Aの仲介・FA費用など専門家費用を支援(買い手・売り手) 3 PMI推進枠 M&A後の経営統合(PMI)の取り組みを支援 4 廃業・再チャレンジ枠 再挑戦に向けた廃業費用を支援 ※補助率・補助上限額は枠・類型により細かく異なります。必ず最新の公募要領でご確認ください

図1:4つの支援枠の概要(出典:公式サイト・公募情報をもとに作成)

中小企業の実務で特に関係が深いのは、①の事業承継促進枠(承継を機にした設備投資が対象。補助率1/2〜2/3・補助上限800〜1,000万円)と、②の専門家活用枠(M&Aの仲介手数料やFA費用が対象になり得る)でしょう。M&Aの専門家費用は中小企業にとって決して軽くない負担なので、検討中の会社には確認する価値があります。なお、補助率・上限額は枠や類型ごとに細かく定められているため、自社が該当しそうな枠が見つかったら、必ず公募要領の該当箇所をご確認ください。

スケジュール——申請するなら、準備は「今」から

9月4日 公募要領の公表 いま:準備期間 GビズID取得(2〜3週間)・要件確認 10月2日 申請受付開始 11月6日 17:00 申請締切(予定)

図2:十六次公募のスケジュール——GビズIDの取得期間から逆算すると準備は9月中

実務上の最大の注意点は、GビズIDプライムの取得に2〜3週間かかることです。受付開始が10月2日、締切が11月6日ですから、IDを持っていない会社が「受付が始まってから考える」と、それだけで申請期間の大半を失いかねません。申請の可能性が少しでもあるなら、ID取得と公募要領の要件確認だけは9月中に済ませておくことをおすすめします。

実務家の視点——補助金は「あと押し」であって「理由」ではない

ここからは、CFO・M&A支援の実務に携わる立場からの補足です。

第一に、補助金ありきで承継・M&Aの意思決定をしないことです。事業承継もM&Aも、会社の将来を左右する経営判断です。「補助金が出るから今やる」は、手段と目的が逆転しています。順番は常に、自社の承継・M&Aの方針が先、それを補助金があと押しできるかの確認が後です。

第二に、採択を前提にした資金計画を組まないことです。公式サイトによると、直近の採択件数は十五次公募で338件、十四次公募で311件です。申請すれば必ず通るものではありません。補助金は「採択されたら負担が軽くなる」上振れ要素として扱い、なくても成立する資金計画を基本に置くべきです。資金計画の考え方は「資金繰り表の作り方」の記事もご参照ください。

第三に、申請そのものにも工数がかかることです。事業計画や書類の準備には相応の社内工数が必要です。本業や承継準備そのものを圧迫するようなら、優先順位を見直す判断もあり得ます。

✔ ポイント

この公募を「自社の承継・M&Aの計画を言語化する締切」として使うのは、良い活用法だと思います。申請には自社の現状と計画の整理が必要になるため、仮に申請まで至らなくても、その整理自体が承継・M&Aの準備として残ります。経営の現在地の棚卸しには経営管理体制チェックリスト(約3分・無料)もご活用ください。

まとめ

  1. 事業承継・M&A補助金の十六次公募が公表。申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00(予定)
  2. 支援枠は「事業承継促進・専門家活用・PMI推進・廃業再チャレンジ」の4つ。詳細は必ず公募要領で確認を
  3. GビズIDプライムの取得に2〜3週間——申請の可能性があるなら、準備は9月中に
  4. 補助金は「あと押し」。承継・M&Aの方針が先、採択を前提にしない資金計画を

当社コムレイドコンサルティングは、コムレイド経営企画部での経営管理支援に加え、M&A支援(戦略策定からPMIまで)も行っています。「承継・M&Aを考え始めたが、何から整理すべきか分からない」という段階のご相談は、経営管理 無料診断(60分・オンライン)でも承っていますので、お気軽にご相談ください。


出典(2026年9月15日閲覧)

執筆:コムレイドコンサルティング合同会社 代表社員 千葉 学(CFO・FP&A支援)

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